50.火風鼎(かふうてい)

キーワード

かなえ

卦辞
大いに吉で、願いは通じる。

象伝
木の上に火があるのが鼎である。君子はこの鼎の安定した象にのっとって、自分の地位を揺るがないものにし、天命を成就することに努めるのである。

解説
鼎は煮炊きに用いる三本足の器。上に耳やつるがついて持ち運べるようになっています。もともとは肉、魚、穀物等を煮炊きする土器として出現しましたが、同時に宗廟で祖先神を祀る際にいけにえの肉を煮るために用いられたことから礼器の地位にまで高められました。細かい装飾の紋様がついているのがそれであり、権力の象徴としても用いられました。この卦が得られたならば、あなたの心・技・体のバランスが取れ、集中して物事に取り組むことができるでしょう。結果、願いが通じて大いに吉となります。仕事に対しても三本の鼎の足のごとく、仲間と協力して取り組むことが大切です。仕事が終わった際には、皆で卓を囲んで食事をして結束を高めるとよいでしょう。

初爻鼎が逆さまになる。一見すると悪いことのようだが、鼎を逆さまにすると底にたまった古い汚れが出てよろしい。同じように、男子が妾を抱え、そのおかげでかえって大事な世継ぎを得る場合もある。よって災いはない。
二爻鼎の中が煮物で満たされている。我が仇が嫉妬することもあるが、身を堅固に守っていれば相手が近づくことはできない。吉。
三爻鼎が煮物で満たされているが、その耳が取れてしまって持ち上げられない。雉の脂身も人に食べてもらうことができないが、やがて雨が降って鼎を冷やすから悔いはなくなる。最終的には吉。
四爻鼎の足が折れて、主君から賜ったご馳走がひっくり返ってしまった。恥ずかしさで顔が真っ赤になる。凶。
五爻鼎に黄金の耳と金で飾られたつる(弓形にかけわたした取っ手)が付いて堂々としている。正道を保って歩めばよろしい。
上爻鼎に宝石で飾られたつる(弓形にかけわたした取っ手)が付いて堂々としている。大いに吉。何事においてもよろしい。
爻辞
原文

卦辞
鼎、元吉亨。

彖伝
彖曰、鼎、象也。以木巽火、亨飪也。聖人亨以享上帝、而大亨以養聖賢。巽而耳目聰明、柔進而上行、得中而應乎剛。是以元亨。

象伝
象曰、木上有火、鼎。君子以正位凝命。

初爻初六。鼎顚趾。利出否。得妾以其子。无咎。
象曰、鼎顚趾、未悖也。利出否、以從貴也。
二爻九二。鼎有實。我仇有疾。不我能卽。吉。
象曰、鼎有實、愼所之也。我仇有疾、終无尤也。
三爻九三。鼎耳革、其行塞。雉膏不食。方雨虧悔。終吉。
象曰、鼎耳革、失其義也。
四爻九四。鼎折足、覆公餗。其形渥。凶。
象曰、覆公餗。信如何也。
五爻六五。鼎黄耳金鉉。利貞。
象曰、鼎黄耳、中以爲實也。
上爻上九。鼎玉鉉。大吉、无不利。
象曰、玉鉉在上、剛柔節也。
爻辞・小象