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昇り進む
卦辞
願いは大いに通じる。有徳の賢者に相談すれば何の憂いもないであろう。南の明るい方向に進めば吉となる。
象伝
地の中に木が生じるさまが升である。君子は木が地中から養分を得て大きく成長するこの卦象にのっとって、道徳に順って身を養い、小事を積み重ねて高大に至るよう心がけるのである。
解説
昇は昇り進むの意味。あなたの人生が盛運にあることを示します。一歩一歩着実に登り詰めていくと良いでしょう。周りの仲間や先輩、上司などと協力して事に当たれば、さらに成功の確率が高まります。今は「小を積み大となす」時期であると考えましょう。日米の野球界で数々の偉業を成し遂げたイチロー選手は、「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」という言葉を残しています。また世界的な画家フィンセント・ファン・ゴッホも、「偉業はもののはずみでなされるものではなく、連続したの小さなことの積み重ねによって成し遂げられるのだ。」という言葉を残しています。今は成功を信じて、コツコツと努力を重ねましょう。そのようにすれば、願いは大いに通じるのです。
| 初爻 | 目上の人と志を合わせて昇り進むことができる。大吉。 |
| 二爻 | 誠意があれば簡素な祭を行ってよい。災いはない。後に喜びを得られるだろう。 |
| 三爻 | 昇り進んでも誰も妨げない。まるで無人の村邑に入るようなものだが、疑いためらう必要は全くない。 |
| 四爻 | 王に登用され、岐山（周の都の西にある山。周王朝発祥の地でもある）で祭祀が行われる。必ずや吉であって災いを避けられるだろう。 |
| 五爻 | 正道を守りつつ有能な臣下を登用すれば吉であり、大いに志を遂げられるだろう。まるで階段を昇るように容易に功をおさめることができる。 |
| 上爻 | 周りが見えず、やみくもに上に昇り進んで最上位に至る。このままでは神経をすり減らすだけで、富裕は望めない。反省して正道を固守して歩むのが良い。 |
原文
卦辞
升、元亨。用見大人。勿恤。南征吉。
彖伝
彖曰、柔以時升、巽而順、剛中而應。是以大亨。用見大人、勿恤、有慶也。南征吉、志行也。
象伝
象曰、地中生木、升。君子以順德、積小以高大。
| 初爻 | 初六。允升。大吉。 象曰、允升、大吉、上合志也。 |
| 二爻 | 九二。孚乃利用禴。无咎。 象曰、九二之孚、有喜也。 |
| 三爻 | 九三。升虛邑。 象曰、升虛邑、无所疑也。 |
| 四爻 | 六四。王用亨于岐山。吉无咎。 象曰、王用亨于岐山、順事也。 |
| 五爻 | 六五。貞吉。升階。 象曰、貞吉、升階、大得志也。 |
| 上爻 | 上六。冥升。利于不息之貞。 象曰、冥升在上、消不富也。 |