卦辞
一陰が初爻に生じて五陽に会う象。一人の女の身でありながら五人の男に会うのは不貞であり、淫心壮んであると言わざるを得ないため、このような女性を娶ってはならない。
象伝
天の下に風が吹きわたるさまが姤である。君后はこの象にのっとって、その命令を施行し、あまねく四方に告げ知らせるのである。
解説
姤は会うの意味。異性との出会いを暗示します。男性であれば女難に注意したほうが良いでしょう。もし結婚を考えているならば慎重に相手を選ぶべきです。女性であればこれから多くの男性との出会いが期待できます。また、仕事面では物事を率先して導いていくのによいでしょう。女性だからといって遠慮する必要はありません。積極的に指示を出して才能を発揮する時です。
初爻 | 一人の女性でありながら五人の男性に相対する女壮の象。鉄製の車止めにしっかり繋ぎとめておけば正道を歩んで吉であるが、勝手に進んでしまうようならば凶である。痩せ豚はよく跳ねまわるので、放っておけば最後は手に負えなくなる。 |
二爻 | 魚が包まれている。問題はない。客には薦めないで、包んで内に押しとどめておくべきだ。 |
三爻 | 例えていうなら、座ろうとしても尻の皮が破れて座れず、かといって前進もできず、うろうろするような状況。危ういが大きな問題はない。 |
四爻 | 包みの中に魚がいない。無理やり行動を起こせば凶である。 |
五爻 | かわやなぎの籠に美味しい瓜をそっとしまうようなもの。その美徳を包みかくして時が来るのを待てば、天からの恵みを授かるだろう。 |
上爻 | 高慢で度量が狭い。恥ずべきことだが災いはない。会いたい人には会えないが、誘惑されないのでむしろその方がよい。ただ、執着するのはやはりみっともないことだ。 |
原文
卦辞
姤、女壯。勿用取女。
彖伝
彖曰、姤、遇也。柔遇剛也。勿用取女、不可與長也。天地相遇、品物咸章也。剛遇中正、天下大行也。姤之時義、大矣哉。
象伝
象曰、天下有風、姤。后以施命誥四方。
初爻 | 初六。繫于金柅。貞吉。有攸往、見凶。羸豕孚蹢躅。 象曰、繫于金柅、柔道牽也。 |
二爻 | 九二。包有魚。无咎。不利賓。 象曰、包有魚、義不及賓也。 |
三爻 | 九三。臀无膚。其行次且。厲无大咎。 象曰、其行次且、行未牽也。 |
四爻 | 九四。包无魚。起凶。 象曰、无魚之凶、遠民也。 |
五爻 | 九五。以杞包瓜。含章。有隕自天。 象曰、九五含章、中正也。有隕自天、志不舍命也。 |
上爻 | 上九。姤其角。吝无咎。 象曰、姤其角、上竆吝也。 |