キーワード
意気盛ん
卦辞
意気盛んなときはつい調子に乗りすぎたり、驕慢に陥ってしまう嫌いがある。心を引き締めて礼を守り、正道を歩めばよろしい。
象伝
雷が天の上にあって壮んに轟くさまが大壮である。君子はこの卦象が表すような意気盛んな時は傲慢な態度におちいりやすいことを肝に銘じて、礼にはずれた行いをしないよう心がけるのである。
解説
大壮は大いに盛んであるという意味。失意泰然、得意冷然という言葉があります。これは失敗して落ち込んでいるときも泰然としていなさい、成功して得意になっても冷然と自分を見つめなおしなさいという意味です。人間誰しも成功しているときは世の中のすべての物事を理解したような傲慢な態度に陥りがちです。ですから初心にかえっていつもの日常生活に戻り、正道を守って努力することが大切なのです。
| 初爻 | 足が盛んに前に進もうとする。しかし、行けば凶である。誠意があっても通じない。 |
| 二爻 | 一貫して正しい行いをすれば吉。 |
| 三爻 | 盛んな上にも盛んな状態。小人は度を知らずに突き進むが、君子は分をわきまえ度を過ごすことがない。盛んに過ぎるようならば、一貫して正しい態度を保っても危険である。牡羊が垣根に突進してその角をひっかけて苦しむようなものだ。 |
| 四爻 | 一貫して正しい態度を保てば吉。悔いはなくなる。牡羊が突進して角を引っ掛け苦しんでいた垣根が開けて進めるようになり、大きな車の輹（車軸と車体を結ぶ革）も益々頑丈強固になって、大いに前進することができる。 |
| 五爻 | 猛進する羊を牧場の境で見失った。盛んに過ぎることはなくなったので、悔いはない。 |
| 上爻 | 牡羊が垣根に突進し、角をひっかけて身動きとれなくなってしまった。良いところはないが、これを苦しみながらも反省するならば吉。 |
原文
卦辞
大壯、利貞。
彖伝
彖曰、大壯、大者壯也。剛以動、故壯。大壯利貞、大者正也。正大而天地之情可見矣。
象伝
象曰、雷在天上、大壯。君子以非禮弗履。
| 初爻 | 初九。壯于趾。征凶。有孚。 象曰、壯于趾、其孚竆也。 |
| 二爻 | 九二。貞吉。 象曰、九二貞吉、以中也。 |
| 三爻 | 九三。小人用壯、君子用罔。貞厲。羝羊觸藩、羸其角。 象曰、小人用壯、君子罔也。 |
| 四爻 | 九四。貞吉悔亡。藩決不羸。壯于大輿之輹。 象曰、藩決不羸、尙往也。 |
| 五爻 | 六五。喪羊于易。无悔。 象曰、喪羊于易、位不當也。 |
| 上爻 | 上六。羝羊觸藩、不能退、不能遂。无攸利。艱則吉。 象曰、不能退、不能遂、不詳也。艱則吉、咎不長也。 |