19.地沢臨(ちたくりん)

キーワード

臨む

卦辞
願いは大いに通じるであろう。常に正しい態度をとり保てばよろしい。しかし八月になれば月が欠けるように運気が衰えて凶となる。

象伝
沢の上に地があるのが臨である。君子は高い地にたって広く沢に臨むこの卦象にのっとって、民を教え導くこときわまりなく、民を包容し保護することかぎりないのである。

解説
臨は人に臨むの意味。この卦は地(坤)が沢(兌)の上に配されており、岸が水沢に臨む象になっています。人に相対する時に誠意をもって臨むならば、相手も誠意をもってそれに答えるでしょう。その結果、お互いに信頼を得ることができれば、今度は協力して大事にも臨むことができます。この卦の爻辞に「咸臨」という咸臨丸の由来ともなった爻辞があります。咸とは感のことで、心で通じ合い(感応)ながら皆で一致協力して事にあたろうという心構えが船の名前に付けられています。咸臨丸は日米修好通商条約批准の為、太平洋を渡るという難事業を見事成功させました。

初爻正しい道を歩むことにより、人を感動させつつこれに臨む。一貫して正道を歩むことにより吉。
二爻他人の命令に盲従せず、正しい道を歩むことにより、人を感動させつつこれに臨む。吉。何事においてもよろしいだろう。
三爻甘く、へつらいの態度で人に臨む。良いことはないが、憂い反省して、これを改めれば問題はない。
四爻至って申し分のない態度で人に臨む。問題はない。
五爻聡明な態度をもって人に臨む。大君がよろしく備えるべき態度であり、吉である。
上爻手厚い態度で人に臨む。吉であり、問題はない。
爻辞
原文

卦辞
臨、元亨。利貞。至于八月有凶。

彖伝
彖曰、臨、剛浸而長、說而順、剛中而應。大亨以正、天之道也。至于八月有凶、消不久也。

象伝
象曰、澤上有地、臨。君子以敎思无竆、容保民无疆。

初爻初九。咸臨。貞吉。
象曰、咸臨、貞吉、志行正也。
二爻九二。咸臨。吉无不利。
象曰、咸臨、吉无不利、未順命也。
三爻六三。甘臨。无攸利。旣憂之无咎。
象曰、甘臨、位不當也。旣憂之、咎不長也。
四爻六四。至臨。无咎。
象曰、至臨、无咎、位當也。
五爻六五。知臨。大君之宜。吉。
象曰、大君之宜、行中之謂也。
上爻上六。敦臨。吉无咎。
象曰、敦臨之吉、志在内也。
爻辞・小象